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妊娠初期に気をつけること食事・薬・生活のOK/NGをまとめて

淡い砂色とグリーンの挿絵で、大きくなったお腹に両手を添える妊婦の横顔。妊娠初期の記事のアイキャッチ。 妊娠初期
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陽性を見た日から、スマホで調べる回数がぐっと増えた——そんな時期だと思います。「これ食べても大丈夫かな」「昨日の薬、飲んじゃったけど」。調べるほど、不安の種類が増えていくものです。

この記事は、私自身が妊娠初期を過ごしたときに知りたかったことを、厚生労働省や日本産科婦人科学会の公開情報と重ねて整理したものです。私は医療の専門家ではないので、数字や体の話は資料を根拠に、体験は体験として書いています。

妊娠初期って、どんな時期?

厚生労働省の「妊娠スケジュール」では、妊娠初期は妊娠4〜15週とされています。中期が16〜27週、後期が28〜40週ですから、初期はおよそ妊娠2か月から4か月の終わりまで、と考えておくと分かりやすいと思います。

この時期、赤ちゃんの側では細胞の分裂がとても盛んに進み、脳や脊髄のもとになる神経管がつくられます。だからこそ、この数週間の過ごし方が注目されるのだと、説明されることが多いのです。

体に起きること

眠気がずっと抜けない。においに敏感になって、冷蔵庫を開けただけで気持ちが悪くなる。胸が張って、下着が合わなくなる。生理が来ない、以外の変化が先に来ることも珍しくありません。

つわりが始まる時期も、このあたりです。食べられるものが日替わりで変わるので、栄養バランスのことを考える余裕がなくなるのも当然だと思います。

心に起きること

うれしいはずなのに、実感がわかない。そう話してくれる方は少なくありません。

そして、不安です。「このまま順調にいくのかな」という、言葉にしづらい不安。誰かに話すと「考えすぎだよ」と言われそうで、しまっておきたくなる気持ちも、よく分かります。

体験談

私は、妊娠がわかった日は嬉しさと驚きが入り混じった感じでした。今まで妊娠に至らず、何度も検査薬の赤い1本線とにらめっこする日々だったから。それから胎動を感じるまでの日々は、本当に生きているのかな、と不安になることもありました。

つわりがつらい日は、つらい。でも、これはちゃんと生きている証拠なのかな、と思うと、少し安心できました。

食事のOK/NG

食事の話は、いちばん質問が多いところです。ただ、先に伝えておきたいのは、神経質になりすぎなくて大丈夫ということ。避けるべきものを数えるより、「これだけは気をつける」を5つに絞るほうが、続けられます。

気をつけること判断ひとことで
葉酸○積極的に通常の食品以外から1日400μgが望ましいとされています。サプリなら成分表示で確認を。1,2
レバー△頻度と量ビタミンAが多く、過剰摂取で先天奇形が増えるとの報告があり、大量摂取は避けるよう案内されています。2
肉・魚・卵○中まで加熱加熱不十分な肉はトキソプラズマなどのリスクがあります。中心部まで十分に火を通す。3,5
生ハム・スモークサーモン・パテ・加熱殺菌していないナチュラルチーズ×控えるリステリア菌の原因食品として、妊娠中は避けるよう案内されています。3,4
生野菜・果物○よく洗う食べる前に流水でしっかり洗えば大丈夫。加熱できるものは加熱がより安心。3
カフェイン△量を意識日本には一律の基準はありませんが、各国は1日200〜300mg程度を目安にしています。6,7
アルコール×飲まない胎盤を通って赤ちゃんに届きます。安全量のしきい値は分かっていません。8
猫のトイレ・ガーデニング△手袋と手洗い猫のふん便や土にはトキソプラズマがいる可能性があります。手袋の着用と作業後の手洗いを。5

妊娠初期の食事 早見表(右端の数字は下の参考文献番号)

葉酸は「いつから、どれくらい」

妊娠を計画している人・妊娠の可能性がある人・妊娠初期の妊婦は、通常の食品以外の食品に含まれる葉酸を1日400μg摂ることが望ましいとされています。時期の目安は、およそ妊娠1か月以上前から妊娠3か月まで。神経管がつくられる時期に合わせて、という理由です。

サプリから摂る場合は耐容上限量が定められているので、成分表示で1日量を確認してください。複数のサプリを重ねると、思った以上に多く摂ってしまうことがあります。

それから、数字とは別に当時いちばん大事だと思っていたのが続けられるかどうか。つわりの時期は、粒が大きいだけでも、においがするだけでも飲めなくなります。どんなに成分が良くても、飲めなければ意味がありません。

体験談

葉酸のサプリは、つわりがひどかった先輩妊婦さんに「つわり中でも飲めたよ」と聞いて、試してみました。

結果から書くと、私の場合は吐かずに、毎日続けられました。食べられるものが日替わりに変わっていく時期に、「これだけは続けられている」と思えるものがひとつあると、気持ちの置き場所ができます。

自分で探していたら、粒の大きさも、においも、想像できていませんでした。飲めるかどうかを先に教えてくれる人がいたことは、私にとって大きかったです。つわりは、私の場合は胎動を感じるころには収まっていました。

商品名は控えています。人によって飲みやすさも合う合わないも違うので、先輩や産科で聞いてみるのがいちばんだと思います。

カフェインは「禁止」ではなく「量」

コーヒーが一切ダメ、というわけではありません。まず前提として、日本には国の定めた数値の基準や目安がありません。農林水産省も「明確な基準や具体的な摂取量の目安は示していない」と書いています。日本で目にする200mg・300mgという数字は、WHOや欧州・英国、カナダなど海外の機関が示したものです。

とはいえ、放置でよいという話でもありません。食品安全委員会は「カフェイン摂取量をゼロにする必要はないが、妊娠中はいつも以上に摂り過ぎに注意するように」と呼びかけています。

目安として参考にするなら、WHO 300mg、欧州・英国200mg、カナダ300mg。

日本の資料では、コーヒー(浸出液)は100mLあたり約60mg、紅茶30mg、せん茶20mg。
気をつけたいのは玉露で160mgとコーヒーの2倍以上、抹茶も1杯48mg程度です。「緑茶だから安心」とは限りません。

体験談

コーヒーは、カフェインを除いたものだけを飲んでいました。味が変わってしまうのは正直さみしかったのですが、飲む回数や時間は変えずに済みました。コーヒーの時間そのものを手放さなくてよかった、と思っています。カフェインの量が心配なときは、こういう選び方もあります。

薬のOK/NG

私は、妊娠初期に薬を飲むことはありませんでした。飲んだのは妊娠後期に入ってからで、それ以前は市販薬も含めて使っていません。ただ、これは「飲まないのが正解」という話ではありません。つらいのを我慢することが、いつも体にいいとは限らないと思うからです。伝えたいのは2つだけ。自己判断で飲まない。自己判断でやめない。

風邪薬、痛み止め、胃腸薬、酔い止め。どれも「妊娠中は一律ダメ」ではありません。成分と時期、飲む量で判断が変わります。だから商品名をそのまま産科の先生か薬剤師に伝えてください。写真を撮っておくと確実です。

「妊娠に気づく前に飲んでしまった」。これもよくある話です。気づく前の数日〜数週間の服用で重大な影響が出る可能性は高くないと考えられているので、多くの場合はそのまま経過を見ます。隠さず、いつ・何を・どれくらい飲んだかを産科の問診票に書いてください。怒られることはありません。

逆に、持病の薬、てんかん、甲状腺、精神科の薬を自分の判断で止めるのは危険です。急にやめると体調が崩れ、それがリスクになります。必ず主治医に相談したうえで決めてください。妊娠が分かった時点で、産科と持病の主治医の両方に伝えるのが基本です。

生活のOK/NG

たばこは、流産や早産、体重が増えにくいことなどとの関連が報告されています。忘れがちなのが受動喫煙。家族には「赤ちゃんのため」より「私のため」と伝えると、案外すんなりいきます。

お風呂は、長時間の高温浴を避けて、ぬるめに短めに。温泉やサウナは事前に主治医へ確認を。

仕事は、つわりがあるのにフルタイムはかなりきついです。厚生労働省の「母性健康管理指導事項連絡カード」を使えば、勤務時間の短縮や休憩の増加を相談しやすくなります。自分で交渉しなくていい仕組みがあることを、覚えておいてください。

動いていいの? 安静にしすぎる必要はありません。ふだんどおりの家事や無理のない散歩は問題ないとされています。出血や腹痛があるとき、医師から安静の指示があるときは、そちらが優先です。

こんなときは受診してください

すぐに連絡したほうがいいサイン

  • 月経のような多めの出血があったとき
  • 腹痛がひどいとき
  • この2つは夜間や休日でも産婦人科に連絡を、と日本産科婦人科学会は案内しています。

反対に、少量の出血や軽い腹痛は妊娠初期にはしばしば見られます。すぐ受診しても有効な対処法がないため、まずは自宅で安静に、とされています。心配が消えないなら電話で相談してください。それだけで安心できるなら、その電話には意味があります。

つわりも、水分がとれない、尿の回数が極端に減る、体重が減り続けるなら我慢せず受診を。つわりは「通るもの」ですが、治療の対象になることもあります。

そして、流産の話も少しだけ。同学会によると、妊娠の約15%は自然流産に終わるとされています。決してまれではありません。12週未満の早期流産では、流産した組織の染色体を調べると約80%に異常が認められたという報告があり、多くはお母さんの行動が原因ではありません。同学会は、安静や薬で流産を予防する効果はなさそうだとしています。

気をつけていても、起こるときは起こる。
だから、気をつけるのは「赤ちゃんのため」ではなく、
「今日を一緒に生きる自分のため」でいい。

まとめ:明日からひとつだけ

食事は、葉酸・加熱・生もの・カフェインの量。薬は、自己判断で飲まない・やめない。生活は、たばこと高温浴を避ける。受診は、多めの出血とひどい腹痛なら夜間休日でも連絡を。

全部を一度にやろうとすると疲れます。だから明日から、いちばん気になっていることをひとつだけ。この記事は一般的な目安なので、迷ったら記事より先生の言葉を信じてください。

参考にした情報

  1. 厚生労働省「e-ヘルスネット|葉酸と神経管閉鎖障害」(最終更新 2026年7月15日)
    https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-05-002.html
  2. 厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針 解説要領」(令和3年3月)
    妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針(PDF)
  3. 厚生労働省 医薬・生活衛生局 食品監視安全課「妊娠中・育児中の食中毒予防について」(令和3年4月1日)
    https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/001127421.pdf
  4. 厚生労働省「これからママになるあなたへ —食べ物について知っておいてほしいこと—」
    https://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/dl/ninpu.pdf
  5. 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報センター「トキソプラズマ症」(更新 2025年10月24日)
    https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/toxoplasmosis/index.html
  6. 厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html
  7. 農林水産省「カフェインの過剰摂取について」(最終更新 令和8年8月28日)
    https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html
  8. 厚生労働省「e-ヘルスネット|胎児性アルコール・スペクトラム障害」
    https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/alcohol/a-01-015.html
  9. 日本産科婦人科学会「流産・切迫流産」(更新 2025年1月30日)
    https://www.jsog.or.jp/citizen/5707/
  10. 厚生労働省 妊娠・出産・子育て応援サイト「何をすればいい?〜妊娠スケジュールに沿って」
    https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/schedule/

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